カゼはそのほとんどがウイルスによって起こりますが、現代医学ではまだこれらのウイルスに対する薬がないため、症状を抑えて体に抗ウイルス抗体が出来るまで5日前後待つ治療になります。
漢方ではカゼの初期なら一晩で治す事が可能です。冬のカゼは風と寒さの邪によって起こりますので、体を暖める薬をつかい上手に汗をかくと、それと同時にカゼは治ります。カゼの初期には風と寒さの邪がまだ体の表面の浅いところにいるので、汗を出してこれを外に押し出す考え方です。昔、カゼには卵酒と言われていたのも、同じ考え方に基づく民間療法です。
冬のカゼに使う漢方薬には、有名な葛根湯の他
麻黄湯や桂枝湯、麻黄附子細辛湯などがありますが、それらの使い方には診断が必要ですので、受診していただいた後で決めることになります。
いずれの薬にしても薬を良く効かせるコツは暖めること!
部屋を暖かくし、服を厚着して首にタオルを巻き、厚手の靴下を履いて熱くした薬を飲み、食事は熱い雑炊を食べるようにすればジワーッっと汗が出てきます。汗が出たら下着を換えしっかり寝れば、翌朝にはウソのようにカゼが治ります。
この汗を上手にかく行程がうまくいかないと、カゼが治るのに数日かかることになります。
のどが真っ赤にはれて始まる春先のカゼは『温病』といい、冬のカゼとは違う薬でないと治りませんので、自己判断せず受診していただいた方が安全です。この時は漢方薬だけでなく、現代医学の抗生物質も併用することがあります。