ブログ始めました

戌年特集

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

今年は戌年。
ワンだふるな年になりますように!

犬は古くから人間の忠実な家畜として知られていますが、最近の研究では1万5千年以上前にオオカミから分化したと推定されているそうです。
人間の残飯を漁るオオカミのうち、デンプンを消化できる形質を持つものが人間と暮らすのに有利となり、次第に犬としての分化が進んだのだとか・・・。
イヌの野生原種はタイリクオオカミ(Canis lupus) の亜種のいずれかと考えられていて、DNA組成は、オオカミとほとんど変わらないそうで、交雑して仔を作れます。

 

神話と犬

古代メソポタミアでは、神々の横に
神を象徴する侍獣が置かれましたが、
治癒神グラの象徴が犬。
写真はウルクの大鉢の一部なのですが、
グラ神かどうか怪しいそうです。

古代エジプトのアヌビス神はヤマイヌの姿。
ミイラを作り、ラーの天秤を用いて死者の
罪の重さを量ると言われています。

ゾロアスター教では、犬は人間の次に位が高い生き物です。
特に霊力が強いとされる両目の上に斑点のある四つ目の犬に死体を見させ死魔を退散させますが、この辺は諸星大二郎「西遊妖猿伝」西域篇2巻に出てきます。
さすが諸星大二郎!!

 

日本書紀では、昔、丹波の桑田村に
「甕襲(みかそ)」という名の人物がおり、
その家には「足往(あゆき)」という名の犬がいて、この犬が牟士那(むじな)という名の山獣を食い殺したところ、その腹から八尺瓊の勾玉が出てきたので、これを朝廷に献上したとあります。

 

 岡山県総社市の吉備津神社

 

昔話では、桃太郎に出てくる犬でしょう。
この話は各地にありますが、その一つが
岡山の吉備津神社に伝わるもの。
百済から来た温羅(うら)という鬼を退治する為、吉備津彦命(きびつひこのみこと)が朝廷より派遣され、そのお供が、犬飼部の犬飼健命(いぬかいたけるのみこと)、猿飼部の楽々森彦命(ささもりひこのみこと)、鳥飼部の留玉臣命(とめたまおみのみこと)の犬猿雉子トリオです。
退治された温羅(うら)の首はここに祀られ、
以後は釜を鳴らして国家の吉兆を占う
護国の鬼と化します。

 

江戸時代にベストセラーになったのが、滝沢馬琴の南総里見八犬伝!
全98巻、106冊の大作で、敵将の首を獲った神犬・八房の嫁となった伏姫の身体から、仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の八つの玉が飛び出し、それを宿した八犬士が里見家を
守って戦うというもの。
話も面白いのですが、それを書いた滝沢馬琴が、失明しても息子の嫁に口述筆記させて完成に漕ぎ着けたその執念がまた感動的です!

1913年に最初に映画化され
以後も数作作られています。
学生時代にあった角川映画では
薬師丸ひろ子が主演していて
ポスターが綺麗で印象的でした。
本編はまだ観ていませんが・・・。

 

辻村ジュサブローの人形と、坂本九の歌・ナレーションで放送されたNHKの人形劇
新八犬伝は名作でしたねー!
♪いざとなったら玉を出せっ!力~が溢れる~不思議な玉を~!♪
今でも時々思い出して口ずさんでしまいます。

 

八犬伝の原点は、中国・ヤオ族の始祖伝説です。
竜犬が敵王の首を獲って、三番目の王女を娶り、盤護王に任ぜられ、俗に狗王と呼ばれました。
その王女が産んだ十二人の子供が、ヤオ族各支族の祖となります。
それ故、ヤオ族は祖先を敬って犬の肉を食べないそうです。

 

日本の神社を守る狛犬。
このルーツもロマンです。

沖縄のシーサー。
獅子と犬の中間形。

ミャンマーの寺院の入口を守る獅子
少し犬っぽいかも・・・。

 

古代メソポタミヤでは、王宮や神殿の守り神として獅子像が置かれていました。
大きな口を開けて悪霊を一呑みにするとされ、これが東に伝わって中国初期王朝
殷の饕餮(とうてつ)になったとも言われています。
ライオンが生息しないインド以東では次第に形が変化し、日本では狛犬となりました。

ヒッタイトの王宮の門の獅子像

ヒッタイトの獅子像

バビロニアの獅子像

 

犬の中国古代文字

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2016年10月01日